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2015年度「住田正一海事史奨励賞」決定のお知らせ

2015年12月1日
一般社団法人日本集会海運所
住田正一海事奨励賞管理委員会

「第47回住田正一海事奨励賞」決定

「住田正一海事奨励賞」は、海運、造船事業に従事する傍ら、海事資料の刊行や廻船式目の研究などを通じて、広く海事文化の発展に寄与した故住田正一氏の功績を記念して昭和44(1969)年に設置されたもので、47回目を迎える今年度も海事奨励賞候補作、海事史奨励賞候補作および海事技術奨励賞候補作に意欲的な応募があった。

各候補作について(一社)日本海運集会所・住田正一海事奨励賞管理委員会で慎重に検討を重ねた結果、海事奨励賞に山岸寛著『海運70年史』(山縣記念財団)、海事史奨励賞に伊藤玄二郎著『氷川丸ものがたり』(かまくら春秋社)と南極OB会編集委員会編『南極観測船「宗谷」航海記』(成山堂書店)、海事技術奨励賞に惠美洋彦著 『英和版 新 船体構造イラスト集』(成山堂書店)をそれぞれ決定し、11月17日、授賞式(於:日本海運集会所)にて、賞状・賞金の授与を行った。受賞理由は次のとおり。

■海事史奨励賞

伊藤 玄二郎 著「氷川丸ものがたり」

本書は「氷川丸物語」(高橋茂著、かまくら春秋社)と「氷川丸とその時代」(郵船OB氷川丸研究会編、海文堂出版)をベースに、伊藤玄二郎氏が加筆し、再構成したもの。現在も横浜のシンボルとして山下公園前に係留されている「氷川丸」が、1930年の就航以来、戦前・戦中・戦後と辿ってきた軌跡を通して、戦争を知らない世代に平和の尊さを考えさせる契機を提供しており、今年の戦後70周年という節目に時宜を得た刊行と言える。また、記憶を風化させないためにリバイバルした点でも評価できる。全体を通して「氷川丸」にスポットを当てながら、この船に携わった多くの人々を鮮やかに描写している点なども評価し、海事史奨励賞とする。

著者:伊藤 玄二郎

エッセイスト、星槎大学教授、関東学院大学教授、早稲田大学客員教授を経て(株)かまくら春秋社 代表取締役(現職)。専門は近代日本文学。

住田正一海事奨励賞各賞 受賞者決定のお知らせ(日本海運集会所サイト) 総合物流情報誌KAIUN『海運』2015年12月号(PDF)